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男は女のどこを見るべきか(岩月謙司) [本ココ!]

 男は女のことがわからず、女は男のことはお見通し。随分昔から男女のすれ違いは歌にもなり、詩にもなり、悲劇にもなっている。男と女の関係というのはいつになっても奥ゆかしいものだろう。

男は女のどこを見るべきか

男は女のどこを見るべきか

  • 作者: 岩月 謙司
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2004/09/07
  • メディア: 新書

 さて、本書の『男は女のどこを見るべきか』というタイトルは男性諸君にとって興味をくすぐるものであろう。その内容はと言えばほぼ著者の主観の羅列である。客観的な尺度によって女性の特徴を捉えているとは言いがたいが(いわゆる学問追求とは異なるスタンス)、著者の考えは参考に値する部分もあるとは感じられた。男性にどれくらいの同意を得られるかどうかが本書の評価に繋がるだろう。以下、かいつまんで本書の興味深かった視点をいくつか紹介する。

 ・女性は愛されることに命をかけている。その時は社会性は二の次になる。
 ・女性は愛されれば天使に、愛されなければ鬼になる。
 ・女性の感性は鋭く、男の考えや浮気をきちんと見通している。
 ・女性は無意識に男性のしぐさや異常をチェックしており、自己保全を図る。
 ・男性は愛された女性を探せ。その女性は自分が裏切らない限り最高の味方となる。
 ・女性は感情に対して素直である。男はそこが理解できない。
 ・愛されている女性を見分けるポイントは「ありがとう」、「ごめんなさい」を美しく言えるかどうかである。

 その他、たくさんの視点が提示されているがそれは本書をお読み頂きたい。出版時には随分と賛同と批判が渦巻いたようだ。特に女性からの意見は真っ二つであったとも言われている。男性の観点から女性の無意識の行動を読み解こうとしているわけであるから、賛否両論やむを得ずと言った所か。ただ、女性にとっては男性の鋭い人には「こう見られているかもしれない」という参考程度には役立つかもしれない。総じて俗っぽい内容だが、思わず頷く部分もあり、読み物としてはそこそこ面白い部類に入るように思う。

 蛇足だが著者は治療と称して女性に対する性的接触を行った疑いで裁判沙汰になっている(判決は未確定)。


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kyao

うぷぷ。箇条書きの部分は大旨当たりです(笑)。「浮気をきちんと見通している」かどうかはその人個人の資質によるところが大きいですが、(自分の彼氏が)「どこか変わったな」「なんか変だな」というときには、不思議と分かるものです。(^^)

それにしても…筆者が裁判沙汰とは…こういうことを聞いてしまうと、早稲田の某教授ではありませんけれど「こんな本まで書いておきながら、どうしてそんな単純なことが分からないの?」と思ってしまいます。(--;
by kyao (2007-04-11 16:13) 

銀鏡反応

性的接触で裁判沙汰になっているところをみると、如何もこの著者は女性に対して如何いう事をしたらいけないのか、本当にわかっていなかったようだ。こんな本まで書いておきながら、何やってんだ!と、私個人としてはツッコミを入れたくなる。

箇条書きの部分は、一般論としては合っていないことはないだろうが、人というものは男でも女でも、こういうお説のとおりに行動するわけではない筈である。行動に個人差があるのは生物として当然であると思う。仮令、無意識上の行動であっても、である。
by 銀鏡反応 (2007-04-11 17:58) 

サファイヤ

一個人の主観じゃ、普遍性はないですね。いったい何を根拠に、ここまで書くのかなぁ?賛否を論じるにも値しない気がしますね。箇条書き、私には当たってないしぃ~(笑)。
by サファイヤ (2007-04-11 19:49) 

ボンバー

大変ご無沙汰しております。お元気でしょうか?

裁判沙汰というところが気になりますが・・・判決が未確定ということで何ともいえません^^;

私は感情に素直ではなく、男性のしぐさにもほぼ無関心。愛されていても時と場合によっては鬼になりますが笑。

でも、著者の主観の羅列でも一読してみたくなりました☆

明士さんはこの書物に共感できる部分、ございました?愚問ですが・・。
by ボンバー (2007-04-13 00:55) 

arukakat

どこを見るべきかって、そりゃもう○○ですよ。私○○フェチですから・・。
ってパーツじゃないんですね。
どんなに考えても、相手は人間ですからね~。パターンには当てはまらないというのがオチでしょうか。
by arukakat (2007-04-14 19:14) 

参明学士/PlaAri

★kyaoさん、おー、当たっていましたか!そうなんですよね、彼氏の変化には異様に敏感な女性が多いと言うのは第三者としていろんなケースを見てきた私にも実感されることです。私など女性の友達からキティちゃんのストラップがあることを突っ込まれました。「これ、何?」みたいな。ま、それは献血した時にもらった赤十字社のキャンペーン商品だったんですけれどね…。

★銀鏡反応さん、裁判の行方はもうすぐわかるそうですが、どうなんでしょうね。その女性とのいざこざは別として、著者の女性観は科学的検証をきちんと経ていない以上、相当に主観的なものです。もちろん、それはそれなりに世の同意を得るくらいの内容がないわけではありませんが、そうした「女性の傾向」みたいなものを一般論に凝縮させるほど研ぎ澄まされた論理ではないと感じました。ただ、著者の人生経験やカウンセリング等における母集団の傾向性を読みやすく分かりやすく言語化したと言うことでしょうかね。あくまで「読み物」程度と思っていて間違いはないと思います。

★サァファイアさん、箇条書きはサァファイアさんには該当箇所ありませんでした??うーむ、やはり女性は奥深いですね…。そういうミステリアスなところも女性が持つ魅力でもあるんですよね。

★ボンバーさん、ご無沙汰しております~。お元気でしたか?
感情に素直な行動を取らないということではなく、「感情に素直になりたい」というのが女性のホンネのところかなと考えたりします。それが社会性を超えるかどうかはやはり各個性によりまちまちでしょうね。ただ、社会性を超えて感情が勝る女性の知り合いは確かに数人はいますね、考えてみると。

>愛されていても時と場合によっては鬼になりますが笑。

むむ。そういうこともありますよね。愛されていれば基本的に天使、時々鬼ってことでしょうかね…。晴れの日もあれば、雨の日もある。女性も鬼の日もありますよね。

>この書物に共感できる部分、ございました?

ありましたよー。結構私の経験とも齟齬がないものも多かったので、まずまず面白い読み物でしたね。ただ、ここまで女性の態度のことをきちんと言語化して考えているわけではなかったので、著者がリアルに描写していると思わず笑ったりしましたよ。とは言っても総じて俗っぽい内容であることに変わりはありません。
とにかく、女性だけでなく男性も含めて人間には未知の可能性が常に担保されているのですから、こうした傾向性だけで人間を判断することのないようにしなくてはいけないなと思っています。

★arukakatさん、お、どこフェチですか??ってパーツの話じゃないです~。

>パターン

そうですね。社会学って言うか学問全般に言えることですが、どうにかして人間を理解するために傾向やクセや態度を言語化しようと試みるのが著者のような人の仕事でもあるんですよね。でも常に例外は潜んでいますし、むしろ例外が真実だったりすることもないわけではありません。
個人の主観で把握しきれるほど女性の奥深さは簡単なものでもないと思います。ですからこういう本は「まぁ、こんなこともありえるかもな」と脳裏に置きながら読むくらいが丁度よく楽しめるのではないでしょうか。
by 参明学士/PlaAri (2007-04-15 01:33) 

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