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失踪者を超能力で探すアレ [思索の散歩道]

昨日、テレビで放映されていたのだが、とある「失踪者」を海外の超能力者が探し出すという企画について考えたこと。

番組全編を見たわけではないが、どうも不可思議さが湧いてくる。
透視もダウジングも結構なことだが…。


率直な疑問その1。

 

何故、「生きている人間で」まずは実験しないのか。

 

番組では超能力者を紹介する段に当たっては、「その世界では有名だ」とか「女帝と呼ばれている」だとか、「事件解決に貢献した」だとか、肩書きや名声、雲のような評判・風評でその能力を説明しようとする。実はこれは一番愚かなやり方である。人は肩書きや生まれや名声、地位によって能力が証明されるのではない。勘違いしてはいけない。すぐこうしたものに認識を揺さぶられるのが日本人の悪いクセだ。テレビ番組もこういうミスリードをしてはいけない。いや、むしろわざとなのか。ミスリードは結局は国民を「バカ」にするだけである。説得力はまるでないと言ってよい。

私ならば、

 

番組スタッフを日本のどこかに隠し、その本人の写真を持って超能力者に会いに行く。

 

そうすれば、超能力者の証言に極めて高い「信憑性」を与えられるではないか。見事言い当てれば、その超能力者の証言は採用する「価値」があると認識されよう。得体の知れない超能力者もどきを排除する事だって出来る。インチキは取り除かねばならない。失踪後数年も経っている人を探すよりは、余程楽な作業ではないのか。後に言う、「残留思念」だって強いはずだ。何せ生きているのだから。本来こうしたプロセスを経てこそ成り立つプロジェクトなのだ。帰納的なアプローチ無しに、超能力に拠って立つなど危なくて見ていられない。

 

疑問その2「残留思念」

 

写真に「残留思念」があるというが、あくまであれは「被写体」なのでは?!被写体は写っていると言うことであって、失踪者が所持していた(残留思念?)こととはイコールにならないこともあるのでは?!

 

これは超能力者の分野に関わることなので素人が口に出せるものではないのかもしれないが、「失踪した人」からその写真を入手したわけだろうから、一般人の私としては残留思念という考え方に疑問符が付く。失踪者が写っている写真に残留思念があるのだとしたら、「どの写真でも良い」ということになろう。

 

私が何故そのようなことをわざわざ神経質に指摘するのか。それは、

被害者家族は藁をもつかむ思いで、失踪者の安否を気遣っているからだ。

まして、番組では情報提供の電話まで受付ているではないか。当人達にとってはただごとではないのだ。深刻な悩みとして受け止めているのである。それを得体の知れない(能力の有無がよくわからない)人物に丸投げして視聴率稼ぎとは、全くもって賛同できない。失踪者家族をバカ(ネタ)にしているとも言える。デキレースではないのか。

 

疑問その3

 

どれも「死」を暗示させる。そして解決に至っているものはあるのか。

 

生きていては何か都合が悪いのか。「死人に口なし」だが、それ以上は言うまい。こうした超能力番組が何かの結論を導いた例を私は知らない。

 

1つ提案したい。

 

その超能力で、北朝鮮にいると思われる「横田めぐみさん、増元るみ子さん」などの拉致被害者の現在位置と生存を割り出してはくれまいか。その予見どおりに発見されればその功積は後世に伝わり残っていくに違いない。 

 

それほど無理な注文ではあるまい。透視でもダウジングでもいいから、早くご家族を安心させてあげて欲しい。横田さんご一家の悲痛な叫びは同情してあまりある。超能力者を信じ担ぐのであれば、テレビ局がその後援をするのは何ら社会正義にもとらない。むしろ国民の応援があることは疑いない。一刻も早く対応してもらいたいものだ。

 

私は他意なくそう思うのであるが、どうであろうか。


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コメント 7

kyao

うんうん。まさしく仰るとおりです。
この番組、うちの旦那が好きでよく見ていたのですが、最近は怪しげだというのがそれなりに分かってきたのでしょうか。まったく見なくなりました。
怪しげな超能力者とかを呼んで、事件が起こるまでの心理描写なども行っていますが…申し訳ないけど、「これって何?」です。実際、予言した辺りから、有力な証拠や犯人、被害者の遺留品ひとつ見つからないし。
スケッチしたりして「橋がある」とか、「川が二股に分かれている」とか、いろいろ言いますが、日本の地図やその地域の写真などがインターネット等で検索できれば分かることばかりです。最近では衛星軌道からの画像も公開されているのですから、その辺の描写がいくら細かくても、その人が超能力者だという証拠にはなりません。
もっとも許せないのは、明士さんが仰っているように、被害者の親族やご家族は、それこそ藁にでもすがる思いで番組を訪ねているはず。そんな思いを、ワケワカの超能力でちゃかすようなことをして欲しくありません。
by kyao (2006-05-16 12:21) 

銀鏡反応

はっきりいってバカバカしいし、被害者家族や視聴者を愚弄していると、一目でみてわかる。それに「超能力者」というふれこみでTV出演している人々は「さくらのいんちき」と、私は思っている。わけのわからぬ超能力で人の命が救えるのか。そうではあるまい。そんなものに藁をもすがる思いで頼みに来る被害者の家族・親族こそ哀れとしか言い様が無い。
by 銀鏡反応 (2006-05-16 18:35) 

参明学士/PlaAri

★kyaoさん、結局はそういうことになってしまうんですよね。そう考えると一体何が主旨の番組なのかわからなくなりますよね。ただ茶番を流しているだけと言われても仕方がない内容です。そうした超能力の精度が極めて高いものならば、とうに重大犯罪は次々と処理されていたはずですしね。オサマ・ビンラディンなどのテロ軍団を、ダウジングと透視・念写でその位置を把握する事が可能なはずです。
まだまだ社会に一般化されていない事象を扱う時には慎重になるべきです。ですが、これは少数の力のある人の存在を否定するものではありませんけれどね。

★銀鏡反応さん、仰るとおりです。超能力というのは色々騒がれてはいるものの、実際はどうなんでしょうね。そう見解をせざるを得ないほど、番組内容は稚拙です。超能力に一縷の望みを託しているご家族が、気の毒になってしまいます。本当の意味での解決が来る日はあるのでしょうか…。
by 参明学士/PlaAri (2006-05-17 00:57) 

steel

マスコミの…の話と同じく、単なるエンターテイメントです。
放送局も関係者も出演者も全部ひっくるめて、大嫌い。
by steel (2006-05-30 12:49) 

参明学士/PlaAri

★ironさん、茶番を承知でやっているのでしょうね。きっと。
by 参明学士/PlaAri (2006-05-31 11:27) 

鴇猫

はじめまして、取り上げられている番組、結構好きなのでちょっと書かせてもらいます。
最近の超能力者や占い師を主体に取り上げている番組に関しては、まったくそのとおりだと思います。
しかし、参明学士さんが取り上げられている番組に関してですがこの番組の主題はあくまで失踪者を探し出すことにあり超能力はその手段の一つに過ぎません、他に科学的、心理学的な方法も取り上げられていますし、実際に発見された事件もあります。
なので、番組を否定するような書き方は考えてもらいたいのです。
まあ、最近は超能力者を大きく扱いすぎな傾向がありますが・・
by 鴇猫 (2006-06-03 01:22) 

参明学士/PlaAri

★鴇猫さん、はじめまして。コメントを頂きありがとうございます。

>主題はあくまで失踪者を探し出すことにあり超能力はその手段の一つに過ぎません

失踪者を探し出すことに本当に心の底から番組が真剣であれば、私の提起したような「超能力の確実性の担保」を取ることをして何ら不思議ではないと思うのです。番組放映中リアルタイムに視聴者から情報提供を電話で受ける価値は少なくないとは思いますが、よくある「いやがらせ、冷やかし、ヤラセ電話、サクラ、操作かく乱を目的とした偽情報等」をあのテレアポの女性が瞬時に判別できるとは思えず、結果として家族にどのような価値を与えられるかということが気にかかってしょうがないのです。

加えて、超能力に関する部分はすべて「取材済み・録画済み」であるはずです。超能力による推理がどのような結果をもたらしたかは放送前に分かっているわけですし、解決に近いのならば警察に報告してその処理を一任しているはずですよね。ところが番組は「まことしやか」な演出をして視聴者を取り込んでいく…。どうもその手法がイマイチ納得できないところでしょうか。

>他に科学的、心理学的な方法も取り上げられていますし

科学的・心理学的なアプローチによって「超能力の曖昧さ」をぼかしているような使われ方がされているのだとしたら、やはり首を捻ってしまいますね…。最初から科学的アプローチをすることの方がよほど価値的ではないでしょうか。

>実際に発見された事件もあります。

これは存じ上げませんでした。よろしければ実例を提示して頂けると参考になりますし、とてもありがたいです。超能力で本当に事件が解決されたなら素晴らしいことだと思います。
by 参明学士/PlaAri (2006-06-05 18:14) 

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