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「最新情報」の当たり前 [明士の日々]

社会の価値観が崩れることによって、今の世の中は明らかにおかしくなっている。

例えば「最新情報」と呼ばれるものの本当の価値のありかはどこだろう。それは「新しい情報」なのではなくて、「正確かつ新しい情報」なのだ。正確でなければ何のための情報か。情報はその「確度」を高めなければ本当に意味がないのだ。それどころか社会に対しての害毒になる。人間は「覚えることは容易でも、忘れてもらうことはいくら金を積んでも無理な生き物」なのである。一度、誤った情報が流れれば事の真偽などは別問題になってしまい、情報を受けた側の「イメージ」だけが先行するというおぞましい結果が待ち受けているのだ。報道された人間の「欠席裁判」もいいところである。こんな状況で民主主義・法治国家とは笑わせるなというものだ。ふざけるのもいい加減にしろと言いたい。


ニュースなどで「O157」の感染源と報道されたカイワレの事件はどうだったか。
週刊誌に「サリン事件の真犯人」と報道された河野さんの事件はどうだったか。
「結婚」が報じられた松井秀喜選手は事実として結婚したのか。
ハンセン氏病で報じられた情報は正しかったのか。


これらなどは氷山のホンの一角だ。
芸能人や有名人の動向のような情報が果たして国民に必要か不必要の議論もしたいが、それ以前に情報そのものが「間違えている」のだ。何といういい加減な情報だ。何という不正確な情報だ。皆、違うではないか。違うということは「ウソ」を報道したのである。一体何なんだ、この社会は。ウソでも何でも「目新しい」ということだけが商品だとしたら、何という恐ろしい社会か。

報道は本来「権力側に拘束されない自由」を持っている。不正な権力への厳しい眼差しを持たなければならない。そしてその権利を持っているのである。ところが結局のところ、本当に社会で問題になったことなどほとんど「追求しきれないまま、闇からまた闇へ」消え去っているではないか。一つの真相を追い続けることもなく、最新情報とやらの怪しげな狼煙に右往左往して、結局権力側に「まかれている」ではないか。民衆から搾取しているのは何も政治家・官僚等の国家の悪党ばかりではない。報道だって民衆からインチキに搾取しているのだ。もはや「詐欺」と言っていい。「中身の違う商品を売りつけている」事実は揺ぎ無く明確だ。これほどまでに情報価値の置きどころは狂い抜いている。まさにメチャクチャだ。まずはこれに気付く必要があるのだ。

この劣悪さ加減により、私達民衆はいよいよ知ることになったのである。

情報はきちんと自らの目と意思で選択しなければ、己の認識も危険極まりない我見になる」ということを。
「火のないところに煙は立たない」ということわざがある。だが、今に至っては半ば無力化し、今は「火のないところに煙を立てる」のが現実だ。煙を立てているのは誰か。それこそ今のマスコミの世界なのだ。
正しい認識のためには、(誤りのない)正確な情報が必要だ。当たり前のことである。己に直接関わっていない情報を正確に把握するというのは並大抵のことではない。本当は報道機関は一般人にとって不可能と言える「並大抵ではない調査」を代理しているはずなのだが、今や売りつけている商品は「粗製濫造・偽装・ソース不明・批判のためのでっちあげ・やらせ・風聞・決め付け・分析不足・後始末なし・編集方針ありきの取材」のまさに噴飯ものだ。こんなものを社会に垂れ流す神経がわからない。

結局のところは民衆が賢明になる以外にはないと思うが、こうしたマスコミの横暴に「権力側」からの規制がかかることは望ましくないどころか絶対にいけない。かと言ってこのまま愚かな報道姿勢を放置することも全く望ましくない。そうなると「マスコミを監視するマスコミ」が必要になってくるものと思われるがいかがであろうか。


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サファイヤ

「火の無いところに煙を立てる」笑えませんが、妙に納得してしまいました。聞く側、受ける側がしっかり見極めないといけない。以前、産経新聞が「新聞を疑え」という広告を出していましたが、「そんなことは、言われずとも、疑っているわい。まず、産経なんざ読まないよ。」と、1人、突っ込みを入れていました。最近のマスコミの低俗さは、情けないですね~。
by サファイヤ (2005-12-26 18:58) 

銀鏡反応

いまに至るまで、この島国の各メディアが、この世間に流布している「最新情報」とは、言われるように、多くの場合「正確な」が抜け、単なる「新しい情報」でしかない。
と、いうことはやはり嘘でも新しければみんな飛びつくという“ハラ”でやっているのであろう。まさに我々は「欠陥商品」を買わされ続けているのである。
恐ろしいのは、我々がその「欠陥商品」の内容を鵜呑みにして「ああ、こういうもんなんだなぁ」と納得してしまい、その内容の真偽について、何ら検証しようとしないことだ。
明士さんの言われるように、嘘・偽りの報道を垂れ流して恬として恥じない悪質なマスコミの姿勢は許し難いが、かといってお上から報道規制がかかることは、そうでない良心的な報道機関も当然迷惑する。
「悪質なマスコミのやりたい放題を厳しく監視する無政府機関」が必要なのは時代の喫緊の要請ではないかという気がする。
(BROでは力量不足だと思う)
by 銀鏡反応 (2005-12-26 18:59) 

kyao

情報操作は、戦時下の政府の十八番(おはこ)ですが、これって今の日本に極めて似てはいないですか??
どの情報も信頼するに当たらず、さらにそんな不確定な情報が山のように飛び交っています。火のないところに煙を起こし、実際に起きている火を見えないように隠してしまいます。真相はいつでもヤブの中です。
これをもって世も末と言わずして、何と言いましょうか。(-_-;
by kyao (2005-12-26 19:23) 

参明学士/PlaAri

★サァファイアさん、仰るとおりだと思います。受け取る側が確かな見識を持ち続けていないと、あっという間にだまされるのがこの社会です。酷すぎます。マスコミは自分がどれほど恥ずかしいかということにすら無知になってきているようですね。はぁ、論外だ。

★銀鏡反応さん、日本って言う国家はあんまり「正しさ」に感心の薄い国なんだと感じざるを得ませんね。「面白ければいい。自分に関係なければいい。」といったような、何と言うか冷却された思考が蔓延しているような印象を持ちますね。正義なんてやかましいことを言えば、「裏でなんかしてんだろ」なんて思うような国民ですから手に負えません。「火の無いところに煙は立たない」のだから、噂があれば「全てではなくとも、何かうさんくさいことはあるんだ」と思ってしまうような精神性だと思いますね。ないものはないし、あるものはある。ギリシャ哲学のようですが、やはりそういうことだと思います。何を目的として「こんなデタラメな報道」があるのか不可解です。
経済原理にのっとってそれを行っているならば、逆に経済原理によってしぼませるしかないとも思えます。そのためにも「マスコミを監視する力強き信頼あるマスコミ」の登場が待たれていると思います。

★kyaoさん、大本営発表も悲惨でしたが、今の言論の自由を傘に着た滅茶苦茶な報道も悲惨ですね。平和な時代に悲惨がある。これほど悲惨なことはありません。いつの時代も「ウソ」が導くものは破滅です。破滅の前に一瞬光っているのでしょうね。
全く世も末ですよ、ホント。頼りないオトナに、頼りない思想。直線一本引けない科学に、蚊一匹作れない文明。宇宙の果てを考えておりながら、海の底のことはてんでわかってない。口を開けばウソ・捏造、やらせ。細胞研究まで捏造。新聞開けば広告ばかり見させられる。広告を買っているのか、我々は。情報のほうも怪しげ。書いた情報を後から検証などしない。書きっぱなし。週刊誌など論外の頂点。あー、世も末ですね。
by 参明学士/PlaAri (2005-12-27 01:52) 

今「市民記者」で検索をかけたらけっこうありました。
「インターネット新聞」やミニコミ的に活動しているような雰囲気でしたが、ネットはテレビやラジオ、商業新聞と違って問題意識というか、自ら情報にアクセスしなければならない媒体なので、「大手マスコミに対抗できるくらいの市民マスコミ」ができたらちょっと面白そうだなと思ったのと、BLOGの普及がその可能性を広げる一つの条件じゃないかなと思いましたよ。

【市民メディア・インターネット新聞JANJAN】
http://www.janjan.jp/

ココで記者を募集しているようです。
韓国の「オーマイニュース」がアジアではさきがけと言うことになるのでしょうか。韓国大統領選挙で大きな影響を与えたと言うことを聞くと不偏不党がどれだけ守られたのだろうかということは気になりますが、日本でもひとつメジャーな市民マスコミがあってもいいなと思いましたよ。
スキャンダルなし、生活者目線、長いものに巻かれない、みたいなマスコミって面白い気がします。
by (2005-12-27 14:46) 

オリビア

もうもう、私はものすごく同感です。。一番早く情報を流したからって、スクープをとったからなんだっていうんだよ!って何の価値があるんだよ!っていつも思います。昼・夜働いているのでテレビはほとんど見てません。いつから、こんな報道が多くなったんでしょうか。視聴率ですよね。。その「視聴率高いのが一番と」いう価値観を脱してほしい。
昔、苫小牧市に住んでいた時近所の知り合いの方が週刊誌に嘘をかかれ、家族は近所で白い目でみられ子供達は学校でいじめられるとい状況を目の当たりにしたことあります。でも彼らは負けませんでした。ちゃんと戦ってました。しかし、泣き寝入りの人もたくさんいるのではと思います。ジャーナリストの中になんらかの意図を持って「わざと」そういう報道する人たちがいるのは確かだと思います。たしかに、マスコミはとても怖いものだと思います。そして人の人生を奈落の底に落とすのは簡単だと思います。だけど、それに民衆が負けちゃいけなくて、国民一人一人がしっかりした価値観をもっていく事が大切なのではと思います。。。なんか、ブログの内容と違ってきちゃったかな^^;熱くなってしまいました・・・
by オリビア (2005-12-27 19:05) 

りんたろ

火のないところの煙を見て大騒ぎしている間に、気がついたら足元に火がついているかもしれませんものね。
>情報はきちんと自らの目と意思で選択
それが一番大切なことだと思いました。
by りんたろ (2005-12-28 20:42) 

参明学士/PlaAri

★スナさん、やはり良識にかけるマスコミをこの先どうやって取り扱っていくかっていうことは、非常に重要な社会の課題だと思うんですね。ある種、メディアの信頼度は国民の中で揺らいでいるわけで、「今更あの情報媒体が本当のことを言ったってなぁ…」と思われるのもやむを得ないかなって思います。プロパガンダと思われている雑誌が真実を書いてもその有効性を発揮させるには相当な労苦が伴うはずです。なにせ、受け取る側のイメージというのはもはや形成されてしまっているからですね。このイメージの払拭というのはなかなかに難しいものです。私は「人間というのは、覚えてもらうことは容易だ。だが、忘れてもらうことは金をいくら積んでも不可能である。」という持論を持っています。イメージの払拭・刷新がなければ、なかなか真実というものの価値を現出することは難しいです。
だから「新しい感覚と確度と正しさを持った雑誌・番組・手法」が必要なはずですよね。その新しさの一つが「blog」に代表されるような市民権を得ている媒体だと思います。設置が容易な分だけ情報は氾濫するでしょうし、その情報の取捨選択は困難になる弊害はあるのは承知ですが、世論を喚起するほどのアビリティを含有していることは間違いないと思います。韓国の例はその一つですよね。
blogのような媒体が世論喚起するために重要なファクターは、やはり市民の成熟ということになるはずです。容易に個人の感情論を書きたてる事すら可能なblogは、感覚の幼稚な人間が主宰すればそれだけ酷くなる。そんな危険性と隣り合わせですよね。
何はともあれ、市民の成熟こそ求められるものですよね。

★オリビアさん、まったくもって仰るとおりですね。苫小牧での事件がどのようなものか知りませんが、ウソを報道することによって得をしている人間がどれほど悪どいか、計り知ることはできません。
一人の人間を誹謗・中傷し(事実ならまだしも、ウソなんて論外)、その反応によって飯を食っている連中。ほとんど許すべからざる者どもです。本物のウソつきには、かなり重たい処罰が必要だと思うのはまさにそこなんですね。報道の自由を食い物に買えている愚かな連中。こういうのは手に負えません。眼前でどなりつけてもあきたらない。
そういった愚かな業者がどんどん滅んでいくような民衆社会を作っていかねばならないということなんだと思います。

★りんたろさん、火のないところの煙を判断する難しさが、結局はここまでマスコミをのさばらせた原因でもあるんですよね。あれほどつけあがった考え方をした業種を他に知りません。
本当に困ったことです…。
by 参明学士/PlaAri (2005-12-30 13:44) 

えみる

はじめまして。ソネットの要望書の記事からお邪魔したのですが、とても興味深い内容ですのでこちらにて御挨拶させていただきます。
情報化社会によって情報が一人歩きする時代になりましたから、メディアは単なる「メディア」ではなくなりつつありますね。ライブドアや楽天などIT業界の台頭も、こうした世相を反映してのことですが・・。
センセーショナルな情報は「食いつきやすい」ものですが、その質が悪いと反感も大きい。ハイリスク・ハイリターンであることを意識して情報発信を行ってもらいたいものですね。所詮は「他人の目を通しての解釈」であるけれども、テレビ中継で「まるで自分が見聞きしてきたかのような」錯覚を覚えてしまう事態は、もはや視聴者側の自覚だけでは防ぎきれないように思えます。先端技術や科学技術、情報の進歩といった事柄に、私たち人間の能力は追いついていないのかもしれませんね。
by えみる (2006-01-11 22:34) 

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