ボクの連続 [明士の日々]
学校は家から近かった。
学校に持っていくものは朝カバンに詰め込む。
だから忘れ物が多かった。鉛筆を削る暇もない。
何故かシャープペンシルは禁止だった。
だからロケット鉛筆を使ったりしてた。
絵を書くパレットも絵の具だらけで洗いもしなかった。
書道の毛筆も墨でかぴかぴになっていて書けやしない。
宿題は朝やるものなのさ。
量が思ったよりも多くて焦ったりしてた。計算機すら使った。
小学校で行う予防注射は逃げに逃げて、結局打ってない。
そう、ボクの肩には他の皆についているあの針の跡はない。
勉強は好きじゃなかった。
テストの点数はどんどん悪くなった。
母親は「一日５分でいいからドリルをしなさい」と言った。
ボクはそれには従った。
そう、答えを見ながらドリルをやった。
簡単だった。
結構高い学研のドリルだったらしい。
無駄にしちゃったな。あのドリル。
ドリルなんてガラじゃなかった、ボクは。
結構夜遅くまで野球やってたな。
下手だったのがたまにキズ。
大きな怪我をしたことは一回もない。
元気で健康なことがボクのとりえだ。
虫歯になってから一生懸命歯を磨いていたけれど…。
習い事の月謝を使ってかっこいい文房具を買っていたな。
すぐにバレると分かっているのに買ってしまうんだ。
かっこいい文房具があれば、勉強できると思ったのかもしれない。
親に恥をかかせたな。もちろんテストの点数も上がらなかった。
ごめんなさい。
でもね、ボクは万引きだけはやってないよ。
一度たりともやってない。
加担もしなかった。
自販機のボタンを２つ同時に押したりはしたけど。
時々出てくるんだ、ジュースが２本。
友達と分けて飲んだよ。
新しい体育館シューズを買ったら、その性能を試したかった。
わざと誰かの悪口を言って、逃げ切ってみせようとした。
すぐに捕まってケンカになっちゃったけど。
あれはボクの方が完全に悪かった。
女の子とはそう言えば遊んだ記憶がないな。
いつも男とばかり遊んでた。
オロナミンCのビンを拾っては空中高くにほうり投げるんだ。
地面に落ちると「パリン」というきれいな音がした。
大人たちは凄く迷惑だったに違いない。
ガラスの破片で誰か怪我をしなかっただろうか。申し訳なく思う。
そしていつになってもしなかったのは勉強。
テストなんて親に満足に見せたことはないと思う。
誰でもできる簡単なテストの結果だけは見せてたかな。
小学校卒業の時に、大学卒業まであと１０年もあると思ってた。
気楽なものだった。
のほほんと生きていた。
そんなボクの連続が今のボク。
そして今のボクの連続が、また新たなボクへと繋がっていくに違いない。
ほんわりとしながら読んじゃいました～。（＊＾ー＾＊）
by (2005-09-05 12:25)
注射のくだり以外は、まるでうちの息子とそっくりです。「陽気で元気」だけじゃ、まるでビーグル犬の宣伝のようだよって言ってます。うちの息子も10年後にこんな文章を書くのかな。お母さまはさぞ心配されたでしょうが、うちの息子も参明学士さんのようになって欲しいな☆
by barbie (2005-09-05 13:08)
ありましたねー、ロケット鉛筆！
すっかり忘れてました。
勉強しないくせに、筆箱は何故か５面とか６面とかじゃありませんでした？
by on_your_mark (2005-09-05 18:42)
>小学校卒業の時に、大学卒業まであと１０年もあると思ってた。
私は、小学校卒業の時に、そんな先のことは考えませんでしたよ。
やっぱり、すごいなぁ。
by サファイヤ (2005-09-05 23:06)
今、重松清さんの「熱球」を読んでいるんですけど、なんか情景がマッチするんですよねぇ・・。
明士さんの文、なんとなく重松さんを彷彿とさせますね。
by arukakat (2005-09-06 00:39)
あったあった！ロケットエンピツ！たしか自分も使った記憶があります。
筆箱も、中をあけたら５面６面とか、中が何重にもわかれて、エンピツ消しゴム以外にも、三角定規とか分度器とかいれられるようになってましたっけね。
＞小学校卒業の時に、大学卒業まであと１０年もあると思ってた。
私も大学卒業のことまで、考えなかったなぁ。ただ、小学校５、６ねんの時の担任が、スパルタ教師だったもんで、その教師からいよいよ解放される！という
身勝手（？）な喜びが胸の中にありました。ただ、卒業式が終わって教室に戻って、そのスパルタ先生が話をしているときに、感極まって泣き出してしまいました。「な、なんだ？！」と思ってあたりを見まわしたら、クラスメイトがみんなもらい泣きしてたのに、「どきっ！」としたのを今でも思い出します…。
あの時の私って…「我が師の恩」を感じられなかった人間だったのかな…と
思い出すたび、あのスパルタ先生とクラスメイト達に対し、申し訳ない思いになることがあります。
by 銀鏡反応 (2005-09-06 18:59)
なんかなつかしいな～。
高学年ではシャープ使ってたと思うけど低学年のうちはえんぴつだったな～。
禁止されてたのかなー？自分はえんぴつしか知らなかったんじゃないかな。
今の子は1年生のときからシャープなんだろうか。
同じ年なのに今の子の方がマセてる気がするな～。
by (2005-09-07 03:11)
追加コメントです。思い出しました。愚息の書道箱を覗いたら緑色の筆が。こんなの買ってあげたかなって良く見たらカビだらけの筆でした。墨にもカビが生えていて摺ろうと思ってもボロボロ。怒るつもりでしたが、ここまでなると笑えてきて(^◇^;)
by barbie (2005-09-07 09:53)
ひかりこさん、書いていると色んなことを思い出します…＾＾；
barbieさん、いやぁ、お恥ずかしい過去ってやつですよ（笑）でも、こうしてわが身を振り返ることは悪くないなって感じています。息子さんの書道箱…。まるで私と一緒ですね（爆）怒らないで差し上げてください～＾＾ｖ
私も書道箱、絵の具セット共にひどいものでした。準備すら滅茶苦茶なので、もちろん字も書けるはずもありませんでしたね（汗）
swiｔchさん、ロケット鉛筆って今はあるんでしょうかね？最近見ないなーと思って…。筆箱もやたらと機能的なものがありましたよね。５面６面、ありましたねー＾＾
サァファイアさん、先のことを考えていたのは、当時の自分自身が不安だったからでしょうね。だらしなさに対する言い訳みたいなものですよ。「まだ先があるから…。」みたいな（笑）
arukakatさん、重松清さんと似ているんですか？私は重松さんの著作を読んだことがないのですが、何かオススメはありますか？似ているとなると何となく手に取ってみようかなと＾＾
銀鏡反応さん、スパルタな先生が担任だったのですね。スパルタって言うとどんな感じなのかなぁと想像してしまいます。ほとんどスパルタな先生を知らないものですから＾＾；
ですけれど、小学校の卒業式はほとんど情景的な記憶がないですね。１０年後は～というのはよぎっていてはいましたけれど。そういう意味では中学の卒業式は忘れられないものとなっています。その時は銀鏡反応さんのように、クラスで誰かが泣き出して、みんなそれをもらい泣きしていました…。
金さん、高学年でシャープペンシル使ってたんですか？どういうわけか私の学校はシャープペンシルが禁止でしたね…。最近では携帯電話を持っている小学生もかなり増えているみたいですから、シャーペンなんぞ…なんて言われそうで怖いですね（涙）
by 参明学士／PlaAri (2005-09-07 10:53)
そっかぁ。
今の自分を形づくるのに、無駄な過去はないってことかぁ。
これからも、いろいろ変化していくのでしょうね。
俺も小さな頃は、悪さばかりしてました。
母が悲しむ顔をみて、そのときは反省し、またすぐに怒らせる。
その繰り返しでした。
でも、小さな悪事があるから、大きな悪事を働かずにすんでるような気がします。
by ブル (2005-09-07 13:46)
すごい偶然！昨日キッチンで一服していたときに空き瓶に目を留めていたら、ふと小学生の頃の記憶がフラッシュバックして、まさにオロナミン（ほんとにオロナミン。リポビタンでなく）の瓶を同じように割ったことがあって、「あれは、やっちゃいけなかったな」って思ってたんです。。
今だって大人だけど、ずーっと自分であることは、続いてるんですもんね。
なんだか、とてもシンクロしました。
by papa007_ (2005-09-07 19:16)
ブルさん、何だかんだ言っても昔の連続があって今の自分があるんだなぁと思うんですよ。時にこうして記事にしてみることで振り返る機会になっています。私の場合、自分の連続を考えることで、今の自分もきちんと肯定してあげたいのかもしれないですね＾＾
papaさん、偶然ですね＾＾同じ事を考えている瞬間って結構あるんだなと思っています。オロナミンのビンを割ることって昔は気持ちよかったんですよね。爽快感というか何というか。だからビンを見つけては割って歩いてました。周りのことなんて考えていなかったというのが実情ですよね。そうした自分も今の自分との連続性の中にあること。それをここでは訴えようと思いました＾＾ｖ
by 参明学士／PlaAri (2005-09-08 11:34)