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大地震-天災から人災へのプロローグ- [思索の散歩道]

東京で震度5強の大地震発生が発生した。

私は電車に乗っていて足止めということになった。予定にも間に合わなかった。あと3駅だけでも進んでくれれば良かったのだが、そのようなことを言ってもしょうがあるまい。私は平素の人身事故の対応の速さから「時機に動くだろう」という安直な予想をしていたのだが、今回それは覆されてしまった。いつまで経っても電車は全く動かなかった。しょうがないので、目的地へ向かうべく駅を降りてバスに乗ることにした。

このバスがまた酷いものだった。バス亭にはありえないほどの長蛇の列。そして満載に人を載せたバスが「これ以上乗れないのをわかりきっていて」もバス停に止まるマニュアルどおりの愚かさ。降りる人がいるならわかるのだが、そんな人はいないのにも関わらず…だ。大体バス自体が来ない。やっと来ても人がうなるように乗っている。何台目かのバスに乗ってからは、渋滞に巻き込まれた。休日だというのに道路の混雑も異様さを極め、地震が過ぎ去ってなお数時間も元の機能を取り戻すことが出来ないでいた。まさにその時私は感じた。

 

「地震は天災に違いない。だが、首都東京においては天災が人災を引き起こす」と。

 

これが平日でもっと深刻な大地震で火事が続発し、津波が押し寄せ、建物は崩壊し、死者・けが人が続出などしたら、消防車も救急車も全く無用の長物となるに違いない。電車が止まっただけでこの騒ぎである。その先のことなど想像したくもない。つい先日、東京都議会議員選挙があった。少なくない候補者は「災害に強い東京をつくる」と叫んでいた。まさに取り組まなければならない大問題だ。何せ人間の生命を維持・救出するための車ですら動きなど取れっこないのだ。助けを待ちながら絶叫する都民を想像せざるを得なかった。明らかにこれは「人災」だ。人災であるなら、人間が何とかできるはずだ。いや、しなくてはならない。

このままでは悪夢は現実になる…。そんな震えがとまらない一日であった。
自分がその中で何が出来るかを模索した一日であった。


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銀鏡反応

>「地震は天災に違いない。だが、首都東京においては天災が人災を引き起こす」と。
全く持ってその通りだと思います。今回の地震よりもっと甚大な、例えば関東大震災、阪神・淡路大震災よりも大きい、スマトラ島沖・津波大震災クラスの震災がこの首都を直撃したならば、最早我々はひとたまりもありますまい。救急車、消防車も出動前に消防署ごとぺしゃんこになってしまい、隊員たちも巻き添えを食うことですし、学校も、オフィスも、すべての交通機関も一瞬で壊滅するに相違ありません。我々の大多数はその壊滅した瓦礫の中で死んでゆくのですから。明士さんが戦慄を覚えられるのも無理はないと思います。
先の都議選で「災害に強い東京をつくる」と多くの候補者は叫んでいました。それが彼等の「公約」だったはすなのですが、2週間経った今はどうでしょう?
 なんと、石原都知事が仏蘭西語をバカにした発言をしたとかなんとかで、またひと悶着あったそうじゃないですか。こんなことでどうして「災害に強い東京」がつくれるのでしょうか?都知事は、そして都議会議員諸氏は、仏蘭西語の文化をコケにするなんて、詰まらないことにクビをつっこむよりもマズ、「災害に強い東京造り」という公約の実現に向かって真摯に努力しなければならないのに…。
都政を預かる者は、まずやはり都民の生命を守ることに第一の重点をおかなくてはならないでしょう。
by 銀鏡反応 (2005-07-24 03:49) 

ひろっぴ

トーキョーって電車やバスで何処へでも行けて便利なんですけど・・・、災害時に乗車しているとホントに大変なことになりますよね。
以前トーキョーで暮らしていた時、電車で1時間通勤なんて近いじゃん、って言われ、田舎モノの感覚を鼻で笑われた経験がありますが、通勤先で災害に遭ったら悲惨ですよね。近いじゃんなんて言ってられない。田舎の人より遥かによく歩くトーキョー人でも、流石に電車で1時間の距離をを歩くのは・・・。
被害に遭った人にはお気の毒ですが、緊張感の無い避難訓練などよりも、この程度の地震の方が有効な気がします。
by ひろっぴ (2005-07-24 05:31) 

ブタゴリラ

おいらも日比谷線で足止め。。。
予定には1時間遅れちゃいましたが、電話してもう焦らず行こうと
電車で座っていました。。。w
家に帰ったらスピーカーが倒れていたのが少しブルーでした。。。
by ブタゴリラ (2005-07-24 10:13) 

辰次

「災害に強い東京をつくる」
どうなんでしょう、そもそも人間が天災(自然)に打ち勝とうと考えは人間の思い上がりではないのでしょうか?
私は、今の人間の住む都市(街)を人間が自然の脅威に負けない、などということは不可能だと「認める(認識)」する事が大切なのではないかと思います。
その上で少しでも「被害」が少なくなるように考えることしかできないのではないだろうか。
常日頃の「利便性」に対するそれが「代価」ではないのだろうかと私は考えます。
by 辰次 (2005-07-24 13:51) 

オサルノカゴヤ

自分の身は自分で守れるようにしておくべし、と思いました。
都心にいて、パニックが起きるような状態だったら
ほんと怖いだろうなーと思って。こわこわ・・・(涙)
by オサルノカゴヤ (2005-07-24 20:49) 

みや☆ひろ

久しぶりにTrackBackさせていただきました
昨日の地震はたまたま出かけようとして取りやめたのでちょっと遠くで感じただけですが,ちょっと感じたことを書いてみました
他人事ではいけないと肝に銘じています
by みや☆ひろ (2005-07-24 23:17) 

lucksun

全くその通りだと思います。
たまたま家にいたため何ともなかったのですが、
出かけていたら確実に帰れなかったはず。
都内の交通網の脆弱さに不安を感じずにいられません。
阪神や新潟で大地震が起こったというのに
行政のリスクマネジメントはいったいどうなっているんでしょうか。
個人レベルでできることからやっていかないと
自分の身を守ることなんてできないかもしれませんね。
by lucksun (2005-07-25 00:37) 

参明学士/PlaAri

携帯電話も携帯している意味を感じないほど使用不能に陥りますよね。
「ドコモがimode掲示板を開設している」なんて言いますけれど、imode自体が使えないんじゃあ困ってしまいますね。安否確認のためだろうから、その瞬間には使えなくてもいいんだという議論もあるとは思いますが…。

>そもそも人間が天災(自然)に打ち勝とうと考えは人間の思い上がりではないのでしょうか?

その通りだと思います。私は「天災に強い」ということは「自然に勝つ」という意味とは違うものだと認識しております。「天災に強い」というのは、自然に対しての畏敬と共存を予め認容しておくことですし、その上での人間が取りうるべき最善の策を講じておくということでありましょう。
やはり自然と人間とは互いに依存しながら共生していくものではないでしょうか。科学技術が進歩している社会において、今こそもっと人間は自然との関わりあいというものを強く意識していかねばならない時代ではないかなと感じています。

とにかく地震をはじめとする災害が起きないことが一番なわけですが、人間が判断すると「災害」になり、地球からみれば「必然」であるのが、地震だったり台風だったり噴火だったりするものですよね。だからこそ「共存」が大切なのだと考えています。
by 参明学士/PlaAri (2005-07-25 23:38) 

barbie

参明学士さんに大事がなくて良かったです。交通網の発達により短時間で驚くほどの距離の移動が可能になりましたね。でも一旦災害が起きると脆いものです。災害が起きた時、自力で帰れるように考えておかないと行けませんね。
by barbie (2005-07-26 15:28) 

天災がより多くの人災になることは、前世紀の関東大震災で実証済みですよね。歴史の教訓を学びこれに対応する手段と方策をしっかりさせねばなりません。
by (2005-07-26 17:27) 

参明学士/PlaAri

「喉元過ぎれば熱さ忘れる」なんて諺がありますけれど、もう先日の地震のことなんか忘れて対策を練らない人が大半なんじゃないかなって感じます。
人間ってどうしても「その場しのぎ」の生き方をしてしまうことも確かです。だからこそ、少しずつでも賢明にならなくてはいけないのでしょうね^^
by 参明学士/PlaAri (2005-07-28 09:33) 

ago-waki

本当にそのとおりですよね。
緊急車両なのに、渋滞や違法駐車とかで目的地に行けないケースもあるようですし・・・。
そろそろ、緊急車両だけでも、チキチキマシーンに出てきた車みたいに、ウィーンとかいってタイヤの幅が広がって、車体だけ2階建てバスくらいの高さまで浮いて、邪魔な車を追い越せるような改造を施してもいいと思うんですけどねぇ。
・・・けが人を運んでいるときに、こんな機能を使ったら、症状が悪化しちゃうかな。(笑)
by ago-waki (2005-08-04 22:01) 

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