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脳にシワを刻みたい [思索の散歩道]

読んでいる本の紹介でも少ししてみようかと思います。

善悪ってなに?働くってどんなこと?―14歳からのライフ・レッスン

善悪ってなに?働くってどんなこと?―14歳からのライフ・レッスン

  • 作者: 小浜 逸郎
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 単行本

著者の小浜氏は著名な哲学者です。学校の先生が生徒に優しく哲学を説いていくスタンスの本です。難しさはありません。「考える」ということのクセをつけるきっかけにはなると思います。いつも思うことですが、こういう本は一度読むだけでは著者の意を汲むのは難しいです。私はなるべく2,3度は読んでいます。哲学は毎日の生活と直結していますので、1度読んでから「自分自身で考えてみる」作業をするとよいと思います。そして、もう一度読み返すときには「フムフム、なるほどなぁ」という実感と共に、知識にもなり知恵にも成長していくものだと思っています。哲学は人生をより一歩、深みのあるものにする道具となりうるのではないかと思います。
目次を書き出しておきますね。興味があればどうぞお手にとって見てください。

・「倫理」ってなんだろう?
・「よいこと」ってなんだろう? 
・「悪いこと」ってなんだろう? 
・なぜ「道徳」が必要なんだろう? 
・「愛する」ってなんだろう? 
・「性」のちがいってなんだろう? 
・「働く」ってなんだろう? 
・なぜ「法」を守る必要があるんだろう? 
・そもそも「法」ってなんだろう?


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kyao

「どうして人を殺してはいけないのか?」-ものすごく単純なことでありながら、誰も明確に答えられないことではないでしょうか。
これまでは「周りの人が悲しむから」「奪った命は二度と戻らないから」といった答えで満足出来ましたが、現在、もしかしたらすぐ近くで起きるかも知れない猟奇的な殺人事件の犯人たちは、こうした答えに満足しないのではないでしょうか。
以前、参明学士さんが問うていた「良いことと悪いこと」「道徳的規範」などなど…これらの基準が、今、すごく不明確になっているように思います。
非常に不完全な答えでしょうけど、私は「人間は他の人間との間でのみ生かされるもの。だから他の人を殺してはいけない」のではないかと思っています。
by kyao (2005-04-02 13:41) 

黄泉若宮

> 「どうして人を殺してはいけないのか?」
「どうせ勝手に死ぬんだ。殺すだけ無駄じゃないか。」と云つてゐる人が居ました。
by 黄泉若宮 (2005-04-02 13:56) 

殺人論という言葉があるのですが、「どうして人を殺したらいけないのか?」という部分について法的根拠を求める訳なのですが。そんなのは、明文化する必要がない。当たり前のことだからという結びになっていたような気がします。所謂、無文法ということですね。・・・・・視点がずれていましたか。。。??
by (2005-04-02 20:55) 

AJISAIstreet-Ring

参明学士さん、こんばんは。
とても興味深いお話を皆様がされていらっしゃるので加わらせて下さい。

>「どうして人を殺してはいけないのか?」
当たり前にいけないこととわかってはいるものの説明はしずらいですよね。
答えが見えているようで手が届かないもどかしさがある論争で・ ・ ・ ・

私は自分の子供が生まれてもし聞かれたのならどう言うのだろう?
そう考えた結果

誰にも人のいのちを奪う権利はないんだよ
次の瞬間になくなってしまうかもしれない自分の命と同じように
他の人の命もとても儚くて尊いものだからお互いに大事にしあわなくっちゃ
いつ死ぬかわからないものだからこそ、尊重しあうべきものなんだよ

そう言うな、と今は思っています。 
皆さんの意見を聞いてまた変わりそうな気配です(笑)
皆さんはどう子供に話しますか?自分で話して気になってしまいました(汗)
by AJISAIstreet-Ring (2005-04-03 01:39) 

kabo

ワタシは、自分が世界に向かってやっている事は、
全部自分に向かってやっている事だと思ってるんです。
そうすると、やって良いコト、悪いコトって概念や定義じゃなくて、
気持ち良いコト、悪いコトって感覚で、捉える事ができるかなって・・・・。
殺されたくないなら、殺さない。
やられたくない事はやらない。
自分が愛されたいように、愛してみる。
人の感性はそれぞれなので、完全に他人を理解するコトは不可能なの
かもしれないけれど、だからこそ、「自分」をワタシの世界の中心に据えてみる。
そうして世界の中心である自分を本当に愛して、真剣に大切に思えたならば、ワタシのいるこの世界の全ても、本当に愛して大切にできるんじゃないかって思ってるんです。(ちょっと幼稚かな?笑)
そういうことを、中学生の頃からずーっと考えてました。(今でも)
だから、この本、すごく良いと思います。ワタシも読んでみますね。
by kabo (2005-04-03 16:38) 

参明学士/PlaAri

kyaoさん、いつもコメントをありがとうございます。人を殺してはいけない理由。これはやはり改めて人間がきちんと「決めなくてはならない」時代になってきたと思います。「法律で禁じられているからやらない」という理由は、答えとしては一番寂しいものですよね。ちょっと、このスペースでのコメント返しは量的にも難しそうですので(涙)、別記事にて書こうかと思っています。kyaoさんの「人間は他の人間との間でのみ生かされるもの。だから他の人を殺してはいけない」は思索内容に入れさせていただきます。

若宮さん、聞いたことありますね、それ。「人間は生まれながらの執行期がわからない死刑囚だ」という言葉もあります。

水郷さん、仰るとおりで、殺しに関しては本当は成文化することもないはずのものだと思うのです。殺しの理由というのを、よくよく吟味せざるを得ない時代と言うこと自体が悲しみかもしれませんね。「当たり前」の崩壊と戦わなくてはいけない恐るべき時代なのかもしれません。

凛さん、お久しぶりです^^。この問題に関しての私の考え方を別記事で示そうかとは思っています。ちょっと、このコメント欄での書き込みでは無理のようなので…(涙)

>誰にも人のいのちを奪う権利はないんだよ
次の瞬間になくなってしまうかもしれない自分の命と同じように
他の人の命もとても儚くて尊いものだからお互いに大事にしあわなくっちゃ
いつ死ぬかわからないものだからこそ、尊重しあうべきものなんだよ

結論としてはこういうことだと思うのです。これが基本ですね。反対にこういった考え方をもはや許容しない人たちが確実に出てきています。その意味で生命の尊厳の尊重を「どのように次の世代に普遍化して残すか」ということが、重大な課題だと思うのです。政治、思想、宗教、哲学、道徳、文化等を駆使して考え得る知恵を総動員して、人間の本来あるべき姿を模索することが必要不可欠になってきているように思います。
生命の尊厳に関する正義だけは相対的であってはならない。これは今のところ、私の考えの一つです。相対的正義は「アメリカ」のような横暴をも認容せざるを得なくなってしまいます。イラクの病院に誤爆しても「正義のためしょうがない」ということには断じて納得がいきません。各人それぞれが思う正義は「生命の尊厳」という段階においては「あなたが思うようにすればいい」と考えてはいけないものではないかと感じています。アメリカが正義と思おうと、イラクが正義と思おうと、「人殺しは悪」という人類にとって普遍的な定義をどうにかして策定しないと、「哲学」の意味するところもなくなってしまうでしょうから…。

kaboさん、コメントありがとうございます~。

>気持ち良いコト、悪いコトって感覚で、捉える事ができるかなって・・・・。
殺されたくないなら、殺さない。やられたくない事はやらない。自分が愛されたいように、愛してみる。

殺さない理由は突っ込んで突っ込んで突っ込みぬくと、このkaboさんの感覚に行き当たるのではないかなと考えています。気持ち悪いから殺さない。殺人に加担したくないから死刑に賛成したくない。死刑執行官の気持ちには到底なれないから、死刑もイヤだ。これは人間としては本然的なものに近いはずです。

>世界の中心である自分を本当に愛して、真剣に大切に思えたならば、ワタシのいるこの世界の全ても、本当に愛して大切にできるんじゃないかって思ってるんです。(ちょっと幼稚かな?笑)

いえ、全く幼稚だとは思いません。自分を大切にすると言うことは「無意識に生命の価値を自覚している」ということに繋がります。生命の価値は、基本的な人間の欲求を充足させるために必要な「本源的価値」なのです。世界の人々を幸せにしようと思うのなら、まずは相対的な幸福感を実現できるための根拠「生命の維持」を最優先課題に考えなくてはなりません。その意味で、kaboさんの持っていらっしゃる感覚はとても大切なものだと思うのです。
あ、ところでこの本はそういう内容ではありませんけれど、コメント全体が「殺しの是非」になってしまいましたので勘違いなされるような内容ですね^^。すみません~。

というか、この記事は、前出の「悪い人」記事と随分連動してしまいましたね^^。
by 参明学士/PlaAri (2005-04-03 17:49) 

アキオ

こちらの記事にも、トラックバックしてイイですか?
ずっと考えてたんですけど
「善と悪」の話題の一環デスよね、、
御願します、といいつつの、トラバ、お許しクダサイ。
by アキオ (2005-04-03 19:10) 

参明学士/PlaAri

アキオさん、TB大歓迎です。記事書きして頂いて感謝しております。多種多様な思考を学ぶことで、また一歩真理に近づいていけるものだと思っています。
by 参明学士/PlaAri (2005-04-04 10:58) 

AJISAIstreet-Ring

>人間の本来あるべき姿を模索する
人種も宗教もこえるためには、人間それぞれがもっと考えるべきなのかな、と。
根っこの根っこにある大事なものに気づこうとしない限り、
何にも光はささないような気がしてなりません。

難しい内容のお話ですが、参明学士さんの見解を楽しみにしています。
by AJISAIstreet-Ring (2005-04-04 22:10) 

参明学士/PlaAri

凛さん、そうですね。人間は考える葦とはよく言ったものですよね。一番大切なことは、人間には分析しきれないこともあるのではないかなと思っています。
人間にこそ与えられている大きな動物の違いは「信」ということになると感じます。「信じる」という行為は人間にだけ備わっている(動物もないとは言えませんが、特殊であることは否定できない)ということですね。
この特別な力をどう活かしていくか。大きな人類の課題に見えますね。
by 参明学士/PlaAri (2005-04-06 00:16) 

ヤス

殺人行為って秩序が壊れる一番の要素だと思います。
殺人がそのものが悪いというよりも、殺人行為によって周りの人間が感じる不快感が殺人を許さない集団心理になってるような。
なので人を殺してもいい場合もあるような。
秩序を守るためと思える場合の正当防衛とか死刑とか戦争とか。
by ヤス (2005-05-07 02:34) 

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