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妹が消えた…。 [明士の日々]



もうどのくらい昔の話だろう。夕焼けがとってもきれいだった日。

私が小学生だった頃のこと。学校の参観日終了後の親と先生の懇談会の時…。

私と友達は学校の近くで跳ねて遊んでいた。

すると、親と先生が血相を変えてこちらに飛んできた。

『ミッチ(仮称)がいなくなった!そしてその友達のミサ(仮称)も!!』

親が目を放した隙だったのだろう。心当たりのある公園や友達の家を片っ端から当たっていった。

いない…。一体どこへ…。気が気でなくなってきた。

家の近くの小売店のおじさんまでもが話を聞ききつけて、探してくれた。

ケータイも無い時代、時間だけが過ぎ去っていく。きれいな夕日が沈もうとしていた。

小売店のおじさんが『見つけたよ!!2人とも!』と笑顔で戻ってきた。

おじさんとは対照的に二人の顔は涙でグシャグシャになっていた。

『どこに行っていたの??』と私。

『おっきいおっきい風船を取りに行ってたの。でも、いくら追いかけても取れなかったの…。』

「風船??」私には思いつかなかった。もちろん親や先生も。

『そんなに大きな風船なんてどこにあるんだい?』

2人が指をさしたその先には大きな夕日がその身を赤く染め地平線に沈もうとしていた…。

夕日を風船と思い、随分と追いかけたのだそうだ。見つかったのは町外れの小道。普通に考えると、とても少女二人が歩ける距離じゃない。

『追いかけても、追いかけても、全然捕まえられないんだよぅ…。』と涙にかすれた声で訴える。

もう夕日が沈みかけて「絶望」していた時におじさんに見つけられたのだろう。

当時、私はなんてバカなことをしたものだと思っていた。夕日を風船と間違えるなんて…と。

だが、今は違う。夕日を風船と思えるなんて凄いと思う。その心がいいと思う。美しいと思う。

昔の妹とその友達の純粋な行動に、今の私が大切なものを教わるということなのだろう。

私も妹も大きくなった。大人になってしまった。あの時のことを話すことはないが、今、話すとしたらどんな風に回想するのだろう…。どんな風に…。


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elegance

子供の感性って素敵!昔聞いた話で、小学校の理科のテストで
『雪が解けたら何になりますか?』という設問に、『春』と答えた
生徒がいたそうです。先生は×をつけたらしいですけど、私だったら
○をつけてあげたいな。『水』って答えるより遥かに素敵な答えですよね。
by elegance (2004-12-10 17:12) 

smartlife

はじめまして。
ほっと一息つける記事を楽しみにしています。
けっこうね、子供と真剣に接しているとドキっとすることばかりですよね。
先日、うちのやつが空見て「あれはなに?」って指さしたんですけど
そこにはパラグライダー。教えてあげると。
「ぱらぐだいはーってカイジュウ、耳澄ますと鳴き声聞こえるねえ」
カイジュウになってしまいました。
by smartlife (2004-12-10 21:15) 

yukkyon

はじめまして。
なんかおぼろげな情景が浮かんできて和みました。
とっても文章も素適ですね。
by yukkyon (2004-12-10 22:36) 

参明学士/PlaAri

蜜さん、いつもご来訪ありがとうございます!

>『雪が解けたら何になりますか?』という設問に、『春』と答えた
生徒がいたそうです。

私も聞いたことがあります。正解ですよね、これは。何が間違えているのでしょうね?確かに素敵な答えだと思います(^^)

kimiさん、はじめまして!

>「ぱらぐだいはーってカイジュウ、耳澄ますと鳴き声聞こえるねえ」
カイジュウになってしまいました。

はは^^。なんともほほえましい反応ですよね。こんな時は親としてはどう答えるのですか??やっぱり、「うん、そうだね」っていうのが正解でしょうか?
興味を示す範囲が我々大人とは違うところに、子供の絶対的優位があるようですね(^^♪

ゆっこさん、はじめまして!

>なんかおぼろげな情景が浮かんできて和みました。

私も書きながら昔を思い出して、こうだったよなぁ、ああだったよなぁなんて自問自答しながら書いています。自らの記憶の確度を高めるためにも、こうやって文章にすることはいいことなのかもしれません。
by 参明学士/PlaAri (2004-12-10 23:55) 

ichiro

すこし前に”風船おじさん”っていましたよね?風船で飛んで行っちゃった人。いったいどこでどうなっているんでしょうね。
当時の世間の論調は ”ばかなことして” という感じでしたが、
自分はなんとなくうらやましい気持ちがしたことを思い出しました。
by ichiro (2004-12-11 11:21) 

参明学士/PlaAri

ichroさん、はじめまして!

>世間の論調は ”ばかなことして” という感じでしたが

過去の偉人たちも「偉業」を成し遂げる前までは「キチガイ扱い」されるものでした。その意味では偉人たちの精神や心の持ちようと言うのは、より少年や少女がもつような憧憬を近いものだったと言えるでしょうね。
かの発明王エジソンも「空飛ぶ薬」を開発して友人に飲ませたりしていました。もちろん、失敗しましたが…(笑)
by 参明学士/PlaAri (2004-12-11 11:58) 

hypnotic-allure

素敵ですねぇ~!自分の子供がそんなかわいいこと言ったら
感動して涙が出ちゃうかもo(^▽^*)o
by hypnotic-allure (2004-12-11 12:46) 

参明学士/PlaAri

PAGEBOYさん、こんばんわ。

>自分の子供がそんなかわいいこと言ったら

当時はかわいいとはおもわなかったのですが、今を考えるといい発想力だなと感心しますね。妹とは離れて暮らしているので、こんど話してみようかと思います(^^)
by 参明学士/PlaAri (2004-12-12 21:50) 

yuuri

素敵な文章ですね。
そして素敵な写真・・・。
ほんとに感動ですっっd(ゝc_,・。)
by yuuri (2004-12-14 23:37) 

参明学士/PlaAri

悠里さん、はじめまして!

遠く懐かしい過去の回想ですが、今思うと、こういう現場にはもうなかなか立ち会えないかなと思ってしまいます。
私自身も感動を素直に受け止め続けていられるように、心も体も磨いていきたいなと思っています(*^_^*)
by 参明学士/PlaAri (2004-12-15 00:45) 

ドキドキしました。読んでて。
でも、今はとっても静かな気持ちになっています。
この記事はまだ読んだことがなかったです。
コレを読めただけでも明士さんの企画に感謝です☆
by (2005-03-26 11:41) 

りんたろ

いいお話です。写真も。過去記事を紹介してくださってありがとうございました。
by りんたろ (2005-03-26 13:17) 

参明学士/PlaAri

スナさん、こちらの記事初めてでしたでしょうか。懐かしい実話話です。この時の心を生涯忘れたくありませんね!

りんたろさん、読んで頂いてありがとうございます。遠き日のことを思い出しながら書きました。今読み返すと、とっても懐かしい感情が湧き上がってきます。
by 参明学士/PlaAri (2005-03-28 15:12) 

yamaki

子どもっていいですよね〜
いつの間に、あの感性をなくしてしまったんでしょう。
///////////////////////
nice!に関する記事を眺めつつ、昔の記事を見させてもらいました。
急いでいたらnice!だけで済ませちゃうけどコメントもらう方がうれしいなぁ
by yamaki (2005-04-16 12:05) 

参明学士/PlaAri

yamakiさん、仰るとおりですね。常識を教えることで夢を失ってしまうのが、大人にとって避けられないものなのかなと思ってしまいますよね。
感性だけは生涯持ち続けていたいと思っています。

blogの意見交換の世界では、やはりnice!以上にコメントのやりとりが充実度合いの鍵を握りますよね^^。同感です。
by 参明学士/PlaAri (2005-04-16 15:28) 

mana

自分も子供の頃は、純粋だったのかな・・・
by mana (2005-11-28 23:32) 

参明学士/PlaAri

★manaさん、間違いなく純粋だったのですよ。そしてその純粋さを今でも内に秘めているのですよ。
by 参明学士/PlaAri (2005-11-29 12:24) 

おーちゃん

はじめまして。
読んでいて、なんとなく映画の「ALWAYS 三丁目の夕日」
を思い浮かべました。
昭和30年代の一般庶民を描いた映画です。
もちろん同じ場面が出てくるわけではありませんが、
何となく似たような懐かしさを感じる記事ですね。
by おーちゃん (2008-12-31 04:45) 

azarashi

はじめまして。
長文はあまり読まないのですが一気に読んでしまいました。
いい話なのはもちろんですが文章ががうまいですね。
ラスト5行はプロの作家かと思いました。


by azarashi (2008-12-31 09:56) 

shu

太陽を直視するのは目によくないよ。
by shu (2008-12-31 10:21) 

参明学士

★おーちゃんさん、はじめまして。コメントをありがとうございます。
この記事は発表当時、結構な反響があったことを思い出します。この年末年始で妹にも会えそうなので、この話を改めて聞いてみようかなと思います。

★azarashiさん、はじめまして。コメントを頂き感謝です。
結構前の記事なので、自分でも読み返してしまいました。今でも当時の情景をはっきり思い出します。少年の頃の一幕。脳裏に浮かぶ妹達の顔。焦った自分や両親たち。見つかった時の安堵感。
全てがいじらしい宝物のように私の胸の中におさまっています。

★shuさん、当時は確か夕方くらいだったのです。赤焼けの空が広がっていました。
by 参明学士 (2008-12-31 18:55) 

キャサリン

はじめまして♪ ドキドキしながら読みましたが、最後はジーんときちゃいました(>_<) 純粋無垢な心っていうのかしら?とにかくご無事でなによりでしたね(^_-)-☆
by キャサリン (2009-01-03 09:35) 

飛騨の忍者 ぼぼ影

子供たちの純粋な感性はいつも素敵だと思います。
いつまでもその感性を忘れないで、、、。
by 飛騨の忍者 ぼぼ影 (2009-01-04 15:39) 

参明学士

★キャサリンさん、コメントをありがとうございます。「当たり前」と思っていることを、まったく別の角度から見る感動ってすごいことですよね。太陽を風船と見る心。大人になっていくにしたがってこういう感性って失われていくのでしょうか。

★飛騨の忍者 ぼぼ影さん、コメント感謝です。子供にとっては真剣な追いかけものだったのですよね。そうした「ひたむきさ」が感動を新たにする気がします。
by 参明学士 (2009-01-05 16:47) 

hig88

すいません、タイトルやら、途中まで読んでて何やら怖い雰囲気に、もしや犯罪かとびくびくしながら読んでましたら、素敵な感性、それを真剣に追いかける一途なところに感動しました。
私が小さい頃、こんな素敵な感性は薄かったように思うのですがw、いろんなもっと近くにあったように思います。
良い後味ごちそうさまです~。
by hig88 (2009-01-06 23:35) 

参明学士

★hig88さん、コメントをありがとうございます。この記事を書いた当初、ここまでの反響があるとは思っておりませんでした。
思い返すと、あの幼少期の感性に驚くんですよね。大人になるにつれて失ってしまうもの…。取り返しの効かないものだったりするのかもしれません。
by 参明学士 (2009-01-12 16:00) 

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